六方晶系の描き方


六方晶系(または,菱面体晶系)では,単位胞だと菱餅のような形になり,結晶構造をイメージさせる六角形の形ではありません。
VISTA で結晶構造を描く際に,構造データを基にすると菱餅の形になってしまいますので,六角柱な感じにするには,以下のようにしてみて下さい。

FeSn を例にします。

構造データは,
空間群:  P 6/m m m (191)
格子定数:  a: 5.297, b: 5.297, c: 4.481,  α: 90,  β: 90,  γ: 120
EL     WyckSymb   X   Y    Z
Fe      3f      0.5000, 0.0000, 0.0000
Sn     1a      0.0000, 0.0000, 0.0000
Sn     2d     0.3333 , 0.6667 , 0.5000

Ref: van der Kraan, A.M.; Buschow, K.H.J., Physica B and C, 79, 55 (1986) .

これをこのまま描くと,

mybasefilename_103634

こうなります。

ここで,VESTA のMenu > Objects > Boundary … を選び,

boundary

上図のように,x と y を -1 から 1 に設定して,Cutoff planes を (1, -1, 0),Apply symmetry operations のチェックボックスをチェック。
そうすると,以下のようになります。

mybasefilename_103634a mybasefilename_103634b

あとは,unit cell のラインを消す(VESTA の Menu > Objects > Properties> General … の Unit cell の Line で「Do not Show」をチェック)。

properties

次に新しい unit cell の境界を描きます。
左端のdistance tool を使って,新しい bond の長さを測り,追加します(VESTA の Menu > Edit > Bonds … を下図のように設定)。

bonds

あとは,不要な線があれば,選択tool を使って選択し,削除。

tool_b

最終的に,以下のような図になります。

mybasefilename_103634c

もっとうまい描き方があったら教えて下さい。

1 個のコメント

  • Cutoff planes便利ですね!確かに(110)面で切れば楽でした。
    また一つ賢くなれました。
    有難うございました!

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